導入事例

JA三重厚生連 菰野厚生病院 検査室様

2018年医療法改正に伴う試薬台帳管理のシステム化を実現

JA三重厚生連菰野厚生病院は急性期から慢性期、また在宅医療までを担う230床の中核病院。
クラウド型医薬品在庫管理システム(ODSS)導入後の効果について、中央検査部 信太俊範技師長よりお話を伺いました。

JA三重厚生連全体の在庫管理システム入れ替えを機に、検査試薬の在庫管理がスタート

在庫管理システム(ODSS)導入前の貴会のご状況を伺えますでしょうか?

ODSSの導入以前、当会では薬剤部で医療用医薬品と検査試薬の双方を管理する体制となっておりました。

そのため、検査室で必要な試薬に関して薬剤部を経由して発注・納品が行われるため発注までのタイムラグや納品検品の薬剤部・検査室の二重負担など業務が非常に煩雑でした。至急注文を行う場合でも、薬剤部を経由しなければなりませんでしたしね。

ODSSの導入を機に、従来薬剤部で管理をしていた検査試薬の管理を検査室で行う事に。在庫管理システムを自部署で運用するための業務が発生いたしましたので、負担も増えましたが業務の棲み分けという観点では意義があったと実感しております。

―2018年の医療法改正もシステムの選定に大きく影響したとか?

はい。2018年の同法改正にともない、検査試薬の台帳管理が必要となりました。具体的には、1)名称、2)濃度、3)ロットナンバー(ロットを構成しない試薬については製造番号)、4)製造年月日、5)有効期限、6)保存方法(常温、冷蔵、冷凍等)、7)受領年月日、8)開封年月日の大きく8項目の管理を何かしらの形で記録・保管する必要がありました。

従来のシステムでは試薬のロットと有効期限の管理を行う事が出来ず、取引卸様から受領した納品書を用いてすべて用紙で管理をおこなっておりました。

ODSSは専用のハンディターミナルを活用し、検査試薬のGS1-128をスキャンすることによって入庫/出庫時のロット、有効期限を管理する事が可能です。用紙ベースで管理していた内容をシステム化する事ができるようになりました。入庫・出庫をハンディターミナルで完結できるので簡易ですしね。

JA三重厚生連全体のマスタ統制に貢献

新しく在庫管理を行われるにあたり、ご苦労された事はありましたか?

はい。従来は検査室でおこなっていなかった在庫管理システムの運用が開始されたため、その分行う業務が増えたことは事実ですね。

従来、検査試薬の管理について現物は検査室にて流動するものの、管理は薬剤部という体制となっており、入庫や出庫の記録を管理するためのシステムは検査室にはありませんでしたので。

ただし、当会の場合は本部主導で導入を推進したことももちろんありますが、現場としても医療法改正にともない「管理をしなければならない」という意識は醸成されていたように思います。

ひと手間増えた部分はありましたが、試薬の台帳管理をシステム化出来るなど実感できるメリットが確かにありましたね。

また、当会7つの施設において使用する検査試薬のマスタ統制が取れたことも大きなメリットであると実感しております。

ODSSでは本部にて登録したマスタデータを各施設が使用する事が可能であるため、採用品が重複する可能性もありませんし、名称やJANコードの情報などが一本化され管理がしやすいと感じております。

試薬管理の基本機能を網羅。今後もバージョンアップに期待

ご評価くださりありがとうございます。最後に今後の展望やシステムに対してのご要望をお聞かせいただけますでしょうか。

システムを導入してからまだ半年も経過しておりませんが、試薬台帳管理が可能でしたり、グループ病院全体でのマスタ統制機能など必要機能は十分に満たしていると感じております。

ただ、今後改善を希望する要望としてはシステムの機能ではなく取引会社にも関係する事ですが全取引先がオンライン発注に対応可能になると嬉しいです。

やはり、現状のオンライン発注の仕組み自体医療用医薬品の発注を行うための仕組みであるため、検査試薬を取り扱う卸様によってはご対応がいただけない状況もあります。

入荷から発注までをODSSを利用して一気通貫で運用できるようになれば更に業務効率が上がりそうですね。

ODSSはクラウド型のシステムでバージョンアップなども継続されると聞いております。 RFIDへの対応や、医療周辺機器との連携等よりスケールアップした開発が加速し更に使い勝手の良いシステムになると良いですね。

お客様プロフィール

JA三重厚生連 三重北医療センター 菰野厚生病院

病院概要

菰野厚生病院は急性期から慢性期、また在宅医療までを担う230床の中核病院です。
都市部と遜色ない高度医療機器を有し専門性の高いドクターが、地域で切れ目のない医療を受けていただくことができる医療提供を実践する病院です。

病床数

病床数230床(一般146床、療養84床)

診療科目

内科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、脳神経内科、外科、血管外科、肛門外科、整形外科、リハビリテーション科、脳神経外科、眼科、泌尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、放射線科